【企業向け】派遣と正社員ではどちらの人件費が高いのか?
まずはじめに人件費について、人件費=給与と考えている方が多いのではないでしょうか。
経理上、人件費は給与以外にも様々な科目が含まれ、会社の経営コストの大半を占めます。そのため、この人件費を下げることができれば経営コストを大幅に削減することができます。
この人件費削減のために用いられるのが【派遣】です。派遣を雇うことで本当に人件費は抑えられるのか?今回は派遣社員と人件費について紹介いたします。
1.人件費の内訳
まずは経理上の人件費の内訳について紹介いたします。
・採用費
求人を募集するためにかかる費用
・研修、教育費
雇用後、業務に必要な知識やスキルを身につけるための研修費用
・給与
雇用契約に基づいて従業員に支払われる賃金や報酬、諸手当
・賞与
定期の給与とは別に、役員と従業員に対して支払われる臨時の給与
・法定福利費
健康保険や厚生年金保険、介護保険の社会保険料や労災保険や雇用保険といった労働保険料のうち会社が負担すべき費用
・福利厚生費
従業員の福利厚生のために支出される費用(社員旅行費や会社負担の忘年会費用、健康診断の費用など)
・退職金
役員や従業員が退職する際に支払われるお金
2.正社員一人当たりの人件費
人件費の内訳を紹介したところで、次は例として月収20万円の正社員一人当たりの人件費を解説いたします。
〈月収20万円の正社員の場合〉
◆給与 20万円/月×12ヶ月=240万円
◆社会保険料(令和3年度)
・健康保険料 9,840円(折半額)×12カ月=118,080円
・厚生年金保険料 18,300円×12ヶ月=219,600円
◆雇用保険料(令和3年度)
・雇用保険料
320万円×6/1,000←事業者負担率=19,200円
・労災保険料
320万円×3/1,000←小売業の場合=9,600円
◆賞与(例)
賞与40万円×年2回=80万円
地域や職種によってこの金額は変わってきますが、月収20万円の正社員を一人雇った際の年間の人件費は最低でも240万+118,080円+219,600円+19,200円+9,600円+80万円でトータル3,566,480円となります。
また、これに加えて交通費や残業手当・住宅手当などの諸手当も発生し、新入社員の場合はさらに採用費や研修・教育費が上乗せされます。
3.派遣社員一人当たりの費用
つづいては派遣社員一人当たりにかかるコストについて紹介いたします。
派遣社員にかかる費用といたしましては派遣料金というものがあり、ここには社員の給与や採用にかかるコスト、研修・教育費、派遣会社へのマージンなどが含まれています。
派遣料金は職種によって金額が異なり、例えば接客・給仕職業従事者の場合は、単純計算で派遣料金13,305円/日8時間×22日(勤務日数)×12ヶ月=3,512,520円となります。※各職種ごとの派遣料金については下記の表をご覧ください。
残業の場合は正社員と同じく1.25倍の残業手当を支払う必要がありますが、派遣社員にはボーナスを払う必要がなく、また各種保険料や交通費などの支払い、シフト・有給などの管理も派遣会社が行うため、トータルコストが安くなるだけでなく、そういった労務が減ることも企業にとっては大きなメリットとなります。
引用元:厚生労働省HP「平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)令和2年3月31日発行」※8時間換算
4.そもそも派遣は人件費ではない?
最後にそもそもの話として派遣社員を雇う際にかかる費用は、人件費ではなく外注費として計上することができます。
正社員を雇う場合は直接雇用となるため人件費扱いとなりますが、派遣社員の場合は派遣会社との取引になるため間接雇用となり、経費を外注費として計上することができます。
外注費は人件費よりも税金面で優遇されることもあるので、この点においても派遣社員を雇うことは企業として大きなメリットといえます。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
職種にもよりますが、派遣社員は正社員に比べて一人当たりの費用が抑えられるだけでなく、従業員管理に関わる事務手続きなど目に見えない労務も抑えられ、業務効率を改善することができます。
わたしたち「NNCグループ」は人材派遣を中心に、専門性の高い業界への総合人材プロデュースサービスを行っています。
厚生労働省認可のキャリアコンサルタントが研修を行っておりますので、初めてご利用される方もご安心ください。
まずはお気軽にお問い合わせください!