ビジネスにも役立つ「自己開示」って?
今回は「自己開示」について紹介していきます。
自己開示は、普段生活する上でのコミュニケーションテクニックとして大事なことではありますが、ビジネスにおいても、組織内外問わず交流を促進する上で必要なテクニックになるため、注目されています。
1.自己開示とは
「自己開示」とは、自分の強みだけでなく悩みや弱点なども含めて、他者にありのままの自分をさらけ出すことを指します。
この言葉は言葉は、1971年にカナダの臨床心理学者シドニー・ジュラード (Sydney Jourard)が初めて用いたとされています。
ただし、本人が自分自身の姿を正確に認識していない場合があったり、受け手側の意図が入り、誤認する可能性もあるため、必ずしも正確に情報を伝達できるとは言えません。
2.自己呈示と自己顕示の違い
自己開示と似た言葉に「自己呈示」と「自己顕示」という言葉があります。
◆自己呈示との違い
「自己呈示(じこていじ)」とは、他者から見られる自分の印象に影響を与えようとする行動のことをさします。
英語では「self-presentation」と書きます。
プレゼンテーションという言葉から推測できるように、自己呈示にはどのような情報を公開するかを選び、自分をよりよく見せるために印象操作をする意味合いがあります。
ビジネスの場では特に、上司や取引先からいい評価を得たいがために、自分にいい印象を持ってもらえるような情報だけを選んで与えることもあるでしょう。
ただし、いいように思われる情報だけ与えてしまうと、「この人は本当のことを言っていないんじゃないか」と思われ、信頼感を損ねる危険性があります。
率直な感想や意見が求められる場面では、自己呈示は避け、自己開示をするようにしてみましょう。
◆自己顕示との違い
「自己顕示(じこけんじ)」とは、自分の存在や価値を人前で見せつけようとしたり、自分の成功や功績をひけらかすことをさします。
周りの人間から注目され認められたいという欲求のことを自己顕示欲といいます。
英語では「self-revelation」と書きます。
自己顕示欲は、成長過程において誰にでも生じるものです。
特に若い世代の方は、実績や経験も少ないことから、生じやすいでしょう。
自慢話や自分の話が多くなってしまったり、他人の評価を気にしすぎてしまったりする方は自己顕示欲が強く、人間関係の悪化や自己肯定感が低下したり、悪影響を及ぼす危険性があります。
3.自己開示ってどうやるの?
◆プライベートの話をする
趣味・休日の過ごし方・好きなもの・健康
◆自分がされて嫌だった話
相手にも共感してもらえるような話をしましょう。
特定の個人の悪口は避け、嫌な「行動」についての話をすると良いでしょう。
◆失敗談やコンプレックスの話をする
笑い話にしたり、どうやってその状況を乗り越えたかを話の終点にするといいでしょう。
◆夢や目標の話をする
いきなりだと、ビックリさせてしまう可能性もあるので、会話の流れは意識しましょう。
※注意※
・信頼できる相手かどうか見極める。
・マウンティングにならないようにする。
・自分が開示したくない話を無理にはしない、自主的に話したいことだけ話す。
4.自己開示のメリット
◆自分から開示すると、相手の自己開示を促すことができる
心理学では、相手が自己開示することによって、自分も自己開示したいという、自分のことを打ち明けたいという特性が働きます。これを「自己開示の返報性」とよびます。
◆ミスマッチを防ぐことができる
面接の場であれば、採用担当者と求職者。案件の紹介の場であれば、コンサルとクライアント等、それぞれ開示ができれば相性を判断し、最適な判断を下しやすくなります。
◆心理的安全性が高まる
心的安全性とは、「組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のこと」をさします。
ほかにも…
◆良好な人間関係を築ける
◆短時間で距離を縮められる
◆相手と打ち解けやすい
◆自己肯定感が芽生える などが挙げられます。
5.まとめ
適切に自己開示を行うことにより、人間関係が豊かになることはご理解頂けたでしょうか?
自己開示は相手との信頼関係の構築を短い時間で行うことができ、更にその質をあげることができます。また、会社の上司や取引先の商談相手など効果的に使用できる場面が増えるでしょう。
ただし、信頼できない相手に自己開示するのはリスクを伴います。
自己開示の方法を知り、ビジネスに活かしましょう。
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