出退勤の基礎知識を解説!管理方法のメリット・デメリット
出退勤のルールをきちんと理解しておりますか?企業は従業員の正しい就業時間を把握する事が求められています。その中で現状の勤怠システムではいくつかの課題があります。
今回は詳しい出退勤のルールと、勤怠管理の様々な方法、それぞれのメリット・デメリットについて説明していきたいと思います。
当たり前のことかもしれませんが、意外と自分の認識と違っている可能性もありますので、是非ご参考にしてみてください。
出退勤の基礎知識
始業時間・終業時間とは
会社では勤務時間が定められており、始業時間、終業時間が決まっています。始業時間は、仕事の準備を始める時間ではなく、仕事を始める時間です。
したがって、始業時間には、着替えなどの準備をして席に着いていなくてはなりません。時間どおりに仕事が始められるよう、余裕をもって出勤するようにしましょう。
終業時間も同様です。定刻までは仕事をする時間です。帰り支度は退勤時間が過ぎてから始めるようにしましょう。
遅刻・欠席をする際には必ず連絡を
病気や交通障害などやむを得ない理由で遅刻や欠勤をする場合は、必ず始業前に連絡をする必要があります。
派遣会社と派遣先の担当者に電話で連絡をするようにしてください。メールでの連絡も可能ですが、相手に確実に伝わったことを確認するためには、電話で直接相手と話をするほうが良いと考えられます。遅刻の場合は、どの程度遅れるかも連絡するようにしましょう。
無断欠勤は、懲戒処分につながったり、何度も繰り返すと解雇されることがありますし、賃金もカットされます。自分自身の不利益だけでなく、派遣先に重大な迷惑をかけることになりますので、必ず連絡するようにしましょう。
出退勤の管理方法
続いて、様々な出退勤の管理方法のメリット・デメリットについてご紹介します。現在、他の勤怠管理のご検討の方や、これから導入する方も是非ご参考ください。
タイムカード
従業員の勤怠管理にもIT化が進んでいます。そんな中でも、タイムレコーダーに手動で打刻する「タイムカード方式」を利用している企業もまだまだ多いのが現状です。改めてそのタイムカードを利用するメリットやデメリットを考えてみましょう。
メリット:誰でも簡単に使用・管理できる
タイムカードの利用方法は、とてもシンプルです。利用者は、毎日の出勤・退勤時にストッカーから自分のタイムカードを取って、タイムレコーダーに挿入するだけで出退勤の打刻記録が行えます。
登録に難しい手順がなく、時間もかからないため、導入後すぐに運用することが可能です。管理者側にとっても、運用に伴う社員教育の手間が少なく済むメリットがあります。
デメリット①管理が大変
タイムカードは導入が簡単というメリットがある一方で、管理に手間と時間がかかるデメリットも持っています。タイムカードは従業員の労働時間を記録した書類であるため、紙面に打刻するスペースがなくなっても、すぐに捨てることはできません。
労働基準法では、労働関係に関する重要な書類について、以下のように記録の保存が定められています。
デメリット②打刻し忘れ、不正打刻リスク
タイムカードは導入が簡単というメリットがある一方で、管理に手間と時間がかかるデメリットも持っています。タイムカードは従業員の労働時間を記録した書類であるため、紙面に打刻するスペースがなくなっても、すぐに捨てることはできません。
労働基準法では、労働関係に関する重要な書類について、以下のように記録の保存が定められています。
デメリット③残業・有給管理がしにくい
タイムカードに打刻される数字は、出勤・退勤した正確な時刻の記録でなければなりません。しかし、タイムカードをタイムレコーダーに挿入する作業は、従業員の主な業務とは連動していないため、タイムカードの使用を忘れる打刻漏れの可能性があります。打刻漏れは、後から打刻修正や忘れた理由の申告が必要となり、人事担当者や総務担当者にとって負担となる作業です。
また、タイムカードは不正打刻されるリスクがあります。本人が遅刻しているのに同僚にタイムカードを打刻してもらう、上司の勝手な判断で残業時間が記録されないなど、タイムカードは労働時間のごまかしが発生しやすい管理方法です。
管理システムやアプリ
管理アプリとは、スマホやタブレット端末を利用して、打刻や勤務記録の集計などを行うことのできるサービスです。
従来のタイムレコーダー・タイムカードや紙の出勤簿の場合、「手作業の集計」「打刻忘れの確認」「社外からの打刻」「不正打刻」「離れた拠点の管理」など多くの課題が挙げられていました。勤怠管理アプリを用いると多くの課題を改善でき、「業務の効率化」「働きやすさの向上」など人事担当者・従業員にとってメリットが大きいことから、近年では導入する企業が相次いでいます。
その管理アプリを利用するメリットやデメリットを考えてみましょう。
メリット①コスト削減
勤務時間や残業時間の集計に始まり、代休・有休の申請や取得状況、残数の管理など人事・労務担当者の業務は煩雑です。特に給与計算は工数も人的コストもかかる負荷の高い業務です。しかも、雇用形態や労働契約も個人ごとに異なる場合もあり、慎重に作業する必要があります。
勤怠管理システムを別の給与計算システムと連携、あるいは両システムが入った製品を導入すれば、出退勤時刻の記録だけではなく、従業員一人ひとりに対応した労働時間での給与が自動で計算されるので、正確かつ効率的に事務作業ができコスト削減にもつながります。
メリット②適切な労働時間管理
勤怠管理システム導入による一番のメリットは、従業員の出退勤時間を正確に管理できることです。システムの導入により、ICカードや自分のPC・スマートフォンで打刻できるようになるため、入力ミスが防げます。従業員もタイムカードの列に並ぶ必要がなくなるため、スムーズに出退勤時間を打刻できるでしょう。
また、紙のタイムカードとタイムレコーダーで出退勤時間を打刻している場合、給与計算の際にデータを手作業で入力する必要があり、転記ミスを起こす可能性があります。しかし、勤怠管理システムであれば、勤務記録をcsvデータなどで出力して給与計算できるため、人的ミスが発生しにくく給与計算の正確性を上げられるでしょう。
メリット③不正打刻防止
出退勤の時間記入には、さまざまな方法があります。タイムカードとタイムレコーダーで記録している会社や、中にはExcelに手入力して管理している場合もあるでしょう。しかし、こうした方法には本人以外も打刻できてしまうという問題もあります。
勤怠管理システムには静脈・指紋認証・顔認証システムといった生体認証システムが搭載されている製品もあり、不正な打刻を防止します。
さらに、クラウド型の勤怠管理システムでは、GPSによる打刻機能もあり、打刻と同時に位置情報を記録するため、直行直帰や出張、交代制の夜間勤務や休日出勤など、さまざまな就業形態や条件にも柔軟に対応でき、不正打刻を防止できます。
メリット④業務効率アップ
勤務時間や残業時間の集計に始まり、代休・有休の申請や取得状況、残数の管理など人事・労務担当者の業務は煩雑です。特に給与計算は工数も人的コストもかかる負荷の高い業務です。しかも、雇用形態や労働契約も個人ごとに異なる場合もあり、慎重に作業する必要があります。
勤怠管理システムを別の給与計算システムと連携、あるいは両システムが入った製品を導入すれば、出退勤時刻の記録だけではなく、従業員一人ひとりに対応した労働時間での給与が自動で計算されるので、正確かつ効率的に事務作業ができコスト削減にもつながります。
メリット⑤給与計算システムなどとの連携
製品によっては、4で紹介したように自動集計されたデータを給与計算システムなどの他システムと連携できるため、給与計算や給与明細の発行などをスムーズに行えます。給与計算だけでなく、有給管理システムやシフト管理システムなど様々なシステムと連携できるので、勤怠管理にかかる事務作業を一元で処理できます。
デメリット①管理機能を扱いきれない場合がある
勤怠管理システムは「打刻をするだけのもの」と思われがちです。そのため、管理機能を詳しく調べずに導入し、失敗している企業が見られます。
勤怠管理システム導入のメリットは、正確な勤怠状況の把握にこそあります。管理画面の使い勝手や、集計時に適応できるフィルターの粒度、スマートフォンで使える機能などはシステムによってさまざまなので、無料トライアルをうまく活用し自社に合ったサービスを探すとよいでしょう。
無料の勤怠管理システムについては次の記事で詳しく紹介しています。永年無料で使えるシステムの多くは利用条件に制限があるので、きちんとした運用を目的とするなら、有料サービスの無料トライアルを検討するのも手です。
デメリット②経営層の理解が得づらい
勤怠管理システムを導入する際、業務効率化などのメリットで、人事担当が明るい顔をしていると思いきや、実際は違うようです。
勤怠管理システムは利益を生むものではないので、費用対効果が見えづらい側面があります。ときには経営層から「既存システムと何が違うのか?コストをかけてまで導入する必要はあるのか?」などの疑問が呈されるでしょう。他部署からは人事が楽をしたいだけなのではと思われてしまうことも。
指紋認証
勤怠管理システムにおける生体認証とは、認証機能付きの打刻機で従業員の体の部位の一部を本人認証手段として利用し、出勤や退勤などの打刻の手段として使われるものです。
こちらも利用するメリットやデメリットを考えてみましょう。
メリット①高セキュアな環境の実現
生体認証は、自身の生体情報にもとづき本人確認を行うため、非常に強固な認証を可能にします。これまで一般的だったパスワード認証は運用負荷が大きいうえ、容易に破られ、なりすましによる不正アクセスのリスクが伴います。しかし生体認証は、偽装が難しいため、なりすましを防ぎ、利便性と安全性に優れた個人認証方式です。
メリット②ユーザーの管理負担を軽減できる
従来の個人認証には多くの手間がかかっていました。ID・パスワードによる認証であれば忘れないように記憶しておかなければいけません。ICカードのような物品による認証であれば、認証アイテムの持ち運びが必要です。
一方、生体認証は記憶する必要も紛失するリスクもありません。身体に備わっている情報を読み取らせるだけでよいのです。したがって、認証に伴うユーザーの負担は大幅に軽減されます。
メリット③認証をスピーディに行える
生体認証による勤怠管理のメリットに、ハンズフリーで楽々できるということがあります。生体認証ではIDカードを持ち歩いたりパスワードを覚える必要もありません。
自分の体の一部を利用して認証するので、何も持つ必要がなくハンズフリーで楽々勤怠管理が可能です。また、セキュリティ面においても、紛失などのリスクを減らすことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まとめてみると様々な勤怠管理方法があることがわかります。
それぞれの特性を生かし、自社にあった管理方法を見つけてみてください。
2019年4月には大企業を対象とし従業員の正確な労働時間の把握が義務化されました。その翌年には中小企業も対象に入りました。
従業員の労働時間が適切に管理できていないと罰金、罰則があります。仮に罰則がないとしても企業がコンプライアンス違反を行ったとして信頼を失ってしまいます。昨今の情勢より今後一層、労働時間の把握は厳しくなると予想されます。厳しくなった際に違反しないためにも早め早めの対応を行いましょう。