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2022.02.25 教育・研修

今更聞けない!「報・連・相」の意味

今更聞けない!「報・連・相」の意味

「報・連・相(報告・連絡・相談)」は円滑な業務遂行と職場環境の活性化には必要不可欠なものです。
もうご存知の方も多いかと思いますが、仕事の基本なのに意外とテクニックがいる「報・連・相」。
「報告をするタイミングがわからない」「自己解決をしてしまいミスに繋がった」なんて悩んでしまうこと、ありませんか?
「報・連・相」ができないのは、若手社員側の問題だけではなく、上司側の問題もあるかもしれません。

そこで今回は、「報・連・相」の基本から効率的なやり方までをご紹介いたします。

「報・連・相」の目的とは

報告の目的

「報告」とは、上司からの指示や業務に対して、完了したのか、どこまで進んでいるのかなどを伝えることです。
逐一報告を上司にすることにより、上司は部下の進み具合を見て支援をしてくれることもあるでしょう。

連絡の目的

「連絡」とは、業務に携わる関係者に対して、自分の作業状況などを伝えることです。
連絡はあくまでも、個人の感想を伝えるものではなく、事実をそのまま伝えます。
上司と部下の関係以外でも連絡を行うことになるので、おそらく社会人で一番多く行っているのは「連絡」だと思います。

相談の目的

「相談」とは、業務で行き詰ったときや、自分では判断できない状況にいる場合、上司や統括者に指示を仰いだり、先輩や同僚にアドバイスをもらうことです。
1人で考え込まず、相談することでより早く詰まっている状況から解放され、別の仕事に注力できます。

「報・連・相」の必要性がある場面

業務終了時やトラブル発生時

報告するには、タイミングが大切です。

例えば、仕事が完了したときや、長期業務の進捗状況報告、納期に間に合わないときなどがあります。

仕事が完了したことが分かれば、指示をした人は安心できます。

進捗状況報告も、進捗率が分かるため完成の目途などが分かるでしょう。

納期に間に合わないときは、業務全体の進行に影響や、取引先などの信頼を失うことにも繋がりかねませんので、事前に報告することはとても重要です。

また、同じようにトラブル発生の際にも素早い報告が必要です。
すぐ報告することにより、トラブルへの初動が迅速になり、結果、早期鎮静化、被害を最小限に抑えることもできるでしょう。

仕事の日程や進め方が変更になったとき

日時や期限などの指定がある場合は、「報・連・相」をおこなわなければトラブルにつながってしまう場合もあるでしょう。

例えば、「明日までに書類を提出して」と連絡を受けた場合の解釈はさまざまです。

・明日までに、だから今日中に提出
・明日の8時の朝礼前に提出
・明日の17時の業務終了前までに提出

もし連絡者の「明日まで」が「明日の業務が始まるまで」だとしたら、明日の17時に提出した人は「提出遅れ」となってしまいます。

これはお互いに「言葉足らず」、「確認不足ず」の状態で意思の疎通が適切にできているとはいえません。

このような認識のずれは社内でならまだいいですが、取引先や顧客が関わるものの場合、信頼を崩しかねません。

お互いのスムーズな業務進行や信頼関係を維持していくためにも、連絡する際には日時まで伝える、日時まで確認することを意識して「報・連・相」をおこないましょう。

疑問や不満があるとき

「報・連・相」のなかでも、相談をする必要性があるのであれば分かりやすく簡潔に、「何を解決したいのか」を明確にしましょう。

相談するということは、何か問題を解決したいということです。

相談する際に「こうなりたい」、「こうしたい」という「解決した先に待つもの」をイメージすることで、「そうなるためには?」の「解決したい何か」が出てきます。

相談したかったのにいつの間にかただの愚痴になっていた、とならないように明確に目的意識を持って「報・連・相」をおこないましょう。

「報・連・相」のポイント

報告のタイミング

報告では、タイミングが重要です。基本的に上司に聞かれてから報告をするのでは遅いと思ってください。

上司が欲しい情報が、上司が欲しいときに手元になかったとすれば、それは評価が下がる原因の1つになります。

上司の目線でいえば、部下からの報告をもとに戦術を考え直す必要がでてきたり、さらに上層部に報告をしなければならないため、部下からの報告が遅くなると上司という立場に立つ人は困ってしまうものです。

逆に部下からすると、報告はとても面倒であり、特に悪い状況を報告する時など「報告したら怒られるのではないか」と考えがちです。

あなたがマネージャーであれば「怒られるくらいなら黙っていればいいや」という考えの部下がいるかもしれないと認識しましょう。普段から報告しやすい関係性を作っておくことも重要です。

正確さとスピード

連絡をする場面では、連絡をする人は正確で明瞭な情報を知っておく必要があります。
いつどこで何が行われるのか。参加に際し、何が必要なのか。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、できていない社会人は多いです。

例えば、
「今日は◯◯の会議をやります」

いつ?
どこでやるの?

連絡はされたけどこの情報だけでは参加できる気がしません。
情報を受ける側の立場に立って、しっかりと必要な情報を連絡できるようにしましょう。

良い連絡例:「5/10 15:00から新商品のパッケージデザインについて会議を行いますので、出席をお願いします」

報告ではスピードも重要です。簡単な報告や、緊急度の高い報告は、口頭での報告がいいでしょう。書面やチャットを使った報告では、いつ上司が確認するかわかりません。
緊急な連絡をわざわざタイピングするのは、時間がもったいないですよね。

相談ではどうなりたいかまで話す

仕事上の相談などを行う際には、次のことを忘れないでください。

-今自分はどういう状況なのか。
-今自分は、何をしたいのか。どうなりたいのか。
-今まで自分がどういう行動をとって、いま悩んでいるのか。

相談に乗る側からすれば、現状が分からなければアドバイスの使用もありません。
また、あなたがどうなるための相談なのか、今までどんな取り組みをしてきたのかを伝えることにより、上司や先輩も経験があることも多いでしょうから、アドバイスしやすくなります。
アドバイスによる問題解決の可能性も高まるでしょう。

アドバイスをもらう側になった場合、相談の仕方を変えることにより、問題解決がスムーズになります。

報告、連絡、相談する際のポイントをお伝えしましたが、ここからは、「報・連・相」を怠ることによって起こるトラブルの例をお伝えします。
ありがちな状況なので、同じ経験をしたことがある人もいるかも知れません。
同じトラブルを起こさないように日頃から報告、連絡、相談を意識して実行してみてください。

「報・連・相」をしやすい上司になるための心得

意識的に感情的な指摘を減らす

感情的な指摘は部下を萎縮させ上司の感情を乱さない行動を優先するようになり「報・連・相」をさせにくくします。

例えば、部下のミス報告に対し「こんなミスをするなんて信じられない」といったような落胆的感情が強い指摘では、部下は今後は失望されないよう気をつけなければならないという意識が高まります。その結果、上司を失望させたくない、自分がショックを受けたくないという感情によって、連絡や報告をせず自分で解決することや失敗を隠すような癖がつく可能性も考えられます。

上司の感情的な指摘は部下にとって本来行うべき報告や連絡よりも上司の機嫌を取る言動を優先させてしまうため、意識的に減らすべきでしょう。

部下の自尊心を高めるマネジメントを意識する

自尊心とはありのままの自分を尊重し受け入れることを指しますが、部下の自尊心を高められる上司は部下にとって「報・連・相」しやすい存在となります。

なぜなら、自らの自尊心を高めてくれる存在には次第に安心感や信頼感が芽生え、連絡や報告を行う際に不安や恐怖を感じないためです。例えばミスの報告をしなければいけない際にも、自尊心が低いと自分の存在を否定される可能性を考え恐怖心から報告が遅れることやできない場合もあります。

上司に対し自尊心を高めてくれる認識があれば、自分自身を否定するのではなくミスへの対処や指導に導いてくれるという信頼感から自主的に報告を行うようになるでしょう。

部下の話を途中で遮らないことを徹底する

相手の話を遮る行為は自分の話の方が重要だという意思表示に捉えられるため、部下の話を遮ることで威圧感を与え、部下は次第に心を閉ざしてしまいます。

こうした対話が日々行われていれば部下は「報・連・相」というコミュニケーションも取りにくくなるでしょう。逆に話を遮らず最後まで聞き入れる行為は相手に好印象を与え、上司に対し親しみや信頼が生まれるため「報・連・相」も自然と行われるようになります。

話を遮らないことは相手のペースに合わせた対話となり、相手にとって自然と心を開きながら考えていたことをスムーズに話せる効果があります。考えを最後まで伝えられることで、自分の話を受け入れ理解してくれるという印象も与えます。日々の対話の中で話を遮らないことを徹底することで、部下との距離は縮まり「報・連・相」をしやすい存在となるでしょう。

まとめ

今回は社会人の基本となる「報・連・相」について紹介させていただきました。

普段自分はできていると思っていても、相手からしたら伝わっていない場面もあるかもしれません。
今回お伝えしたポイントをふまえ、業務をスムーズに遂行できるよう取り組んでみましょう。

部下に報連相をしやすい環境を提供することも、チームとしてのパフォーマンスを上げる大きなポイントです。

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